写欲

■写欲

写真は、
「感動したからこの瞬間を撮りたい!」と言う気持ちと
「この機材で撮ってみたい!!」という気持ちの二つがあると思う。


最近よくNikon F3PとCONTAX RTS2を持ち出して撮影している事もあり、
上記二つのうち「この機材で撮ってみたい!!」という気持ちが起きるカメラと、
いまいち起きないカメラの違いに気が付いた。


F3PとRTS2は、同じ手巻きマニュアルフォーカスのカメラなのに、
いろいろな点で違いが見えて面白い。以下違いを挙げてみる。



・巻き上げ
F3Pのスムーズさは驚異的。ってかフィルムが巻上がってるのか、
空で負けていないのかも判りづらいぐらい。(そのおかげで一本分空撮りした(涙))


RTS2は「ジョリジョリ」した感じでいかにもギアで巻き上げていますという感じ。
高級感は無いけど、巻き上げてるって言うのが実感として伝わってくる。



・レリーズ
F3Pは、ゴムの皮膜に覆われているだけに、「ムニュッ」とした感触の後に
測光、レリーズという段階的な感じ。


RTS2は、測光がボディ側のボタンでするために、半押しがなく、
僅かな押し込みでレリーズされる。



・シャッター音
F3Pは、「パカン」or「パコン」という、いかにもミラーが上がって
何かに当たりましたという音がする。うーん、安っぽい。


RTS2は「コトン」or「カシュッ」と響かない音というか、剛性感のある音がする。



・レンズの質感
F3Pには、Nikkor 85mm F2.0を付けているのだが、どーもレンズの外観といい、
質感といい安っぽい。


RTS2は、Planar 1.4/50mmと、ML 2.8/35mmを使用している。Planarはいうに及ばず、
それよりかなり安いヤシカMLについても、外観、手触り共に高級感のある雰囲気。



・ボディの質感
F3Pはボディも各レバー、ボタンも剛性感に溢れきちっとしているが、
どうも優等性過ぎる感じがいなめない。反面RTS2はと言えば、AEロックのレバーは
プラスチックでぐらついているし、ボタン類がプラだったりと粗が見えるが、
デザインから触った感じ、艶のある塗装になにやら色気がある。




■まとめ
いろいろとつらつら比較してみたが、一番違いを感じるのはシャッター音とレンズや全体の質感だ。
物が全体から発する魅力(自分の場合は「イイい物感」といっている)が、RTSから感じられ、
触っているだけで「このカメラで撮ってみたい!!」という気持ちになる。真剣な撮影には、
F3Pの方が安定して使用できそうだが、そんな撮影は自分には無いので、今後も
壊れて修理できなくなるまでRTS2を使用することになるだろう。




■蛇足
故障して死亡又は、修理時の予備のボディが欲しい。またストロボ撮影のシンクロスピードが
1/60と言うのも使えない。とするとRXかSTかRTS3になるのだろうか。うーん。